こんにちは。はしまさです。
最近、更新できていませんでした。
理由は、ゴルフにどハマりしていたからです。
今日は、久しぶりの記事ということで、新たな気持ちでお伝えしていきたいと思います。
雑記にしようかな。。。
160円攻防の1週間
今週(6月15日〜21日)のドル円相場は、今年最大と言っても過言ではない重大局面を迎えます。
キーワードは「日銀金融政策決定会合」と「FOMC」、そしてその背景にある「地政学リスク」の三つ。
これらが複雑に絡み合い、ドル円は37年ぶりの安値水準である160円台をめぐる歴史的な攻防を繰り広げることになりそうです。
前週(6月8日〜12日)のドル円は、160.59円前後まで上昇する場面がありました。米国の5月消費者物価指数(CPI)が前年比+4.2%という3年ぶりの高水準を記録し、インフレ再燃への警戒が市場に広がったためです。
コアCPIの伸びが比較的落ち着いていたことで、過度な利上げ警戒はやや和らぎ、週末にかけてはトランプ大統領が米国・イランの「和解合意」を表明。リスク回避姿勢の緩和から円高方向に傾き、ドル円は一時159.53円前後まで反落して週を終えました。
ただし、イラン外務省が合意の最終決定を否定しており、地政学リスクへの警戒は完全には払拭されていません。この不透明な状況を引き継いだまま、今週は「日米中銀ウィーク」という大きな山場を迎えます。
注目イベント①:植田総裁不在という「歴史的な」日銀会合(6月15日〜16日)
今週最大のサプライズ材料となっているのが、日銀の植田和男総裁の入院です。日本銀行は6月10日、植田総裁が「肝嚢胞感染症」の治療のため入院中であり、6月15日〜16日の金融政策決定会合を欠席する見通しだと発表しました。
在任中の日銀総裁が通常開催の決定会合を欠席するのは、1998年の新日銀法施行以降、初めてのことです。植田総裁は議決への参加こそできませんが、書面で意見を表明するとのことで、入院中の職務はリモートで対応する方針です。決定会合の議長は氷見野良三副総裁が代行し、会合後の記者会見は内田真一副総裁が行います。
では、今回の決定会合で何が決まるのでしょうか。日本銀行はすでに、政策金利を現行の0.75%から1.0%に引き上げる方針を事前に示しています。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇が幅広い品目の値上げにつながり、インフレの上振れリスクが高まっていることへの対応です。
興味深いのは、この利上げ決定に至るプロセスです。日銀の政策委員会内では、利上げに慎重な姿勢を示す執行部(総裁・副総裁)と、物価高への対応の遅れを警戒して早期利上げに前向きな審議委員との間で意見が分かれていました。植田総裁が議長案として「利上げ見送り」を出したとしても、5人の審議委員が賛成すれば多数決で利上げが決まってしまう可能性すらありました。
そこで総裁は、議長案を「利上げ見送り」から「利上げ」へと差し替えることで、議長案が否決される不名誉な事態を回避することを選んだとみられています。事実上、非執行部(審議委員)が主導する形で利上げが決まるという、新日銀法のもとでは初めての歴史的な決定会合となる可能性が高いのです。
為替市場への影響という観点では、利上げ自体はすでに相当程度、市場に織り込まれています。このため、「利上げ決定」の事実そのものによる円高効果は限定的となる可能性があります。むしろ焦点となるのは、内田副総裁が記者会見でどのようなメッセージを発信するかです。
今後の追加利上げに前向きなトーンを示すことができれば、中長期的な円高観測が強まり、160円近辺の上値をしっかりと抑える材料になるでしょう。逆に、慎重姿勢を強調するようなら「材料出尽くし」の円安反応となりかねません。内田副総裁にとっても「初陣」となる今回の会見は、円相場の行方を左右する重大な局面と言えます。
注目イベント②:FOMC・ウォーシュ議長の「初陣」(6月17日)
米国側の最大イベントは、6月16日〜17日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利発表と、ウォーシュFRB議長の記者会見です。
FRBは現在、FF金利の誘導目標を3.50〜3.75%に据え置いている状況で、今回の会合でも政策金利の変更はないというのがコンセンサスです。ただし、今回の会合ではSEP(四半期ごとの経済見通しサマリー)も発表される予定で、これは金融市場に大きなインパクトを与えることがあります。
ウォーシュ新議長体制下で初めてのSEP発表となり、2026年後半から2027年にかけての経済・インフレ・金利見通しがどのように更新されるかが最大の注目点です。
米国の5月CPIは前年比+4.2%と高水準でした。仮にFRBが「インフレはしつこい」という見方を強め、現状の金利水準を長期間維持する方針を示した場合(いわゆる「Higher for Longer」)、ドル買い圧力が再び強まる可能性があります。逆に、利下げ再開への道筋が示唆されるようなら、ドル安・円高方向に動く展開も考えられます。
野村證券のレポートでは、FRBは2026年6月に利下げを再開するとの見方も示されていますが、足元のインフレ状況を踏まえると、このタイミングは後ずれする可能性も十分にあります。ウォーシュ議長の会見での発言ひとつひとつが、為替市場での反応を左右する重要な材料となりそうです。
注目イベント③:地政学リスク――米・イラン情勢の行方
為替市場では「有事のドル買い」という言葉があるように、地政学的な緊張の高まりはドルへの逃避需要を生み、ドル高・円安方向に働く傾向があります。
前週、トランプ大統領がイランへの「非常に激しい攻撃」を予告した際には、リスク回避のドル買いが一気に強まり、ドル円は160.59円近辺まで急上昇しました。ところがその後、トランプ大統領が攻撃中止と米・イランの和解合意を表明すると、原油価格が急落し米長期金利も低下。ドル円は一転して159.53円前後まで反落しました。
しかし、イラン外務省は合意の「最終決定」を否定しており、状況は依然として流動的です。もし再び地政学リスクが高まった場合、「有事のドル買い」が再燃し、日銀利上げによる円高効果を相殺してしまう可能性があります。
今週は日銀・FOMCという二大イベントに加え、6月15日〜17日に予定されているG7首脳会議も控えており、トランプ政権の通商政策や外交動向に関する発言が飛び出す可能性も十分にあります。市場参加者は複数のリスクシナリオを同時に意識しながら、慎重なポジション調整を迫られる1週間となるでしょう。
その他の注目指標
今週は大型イベント以外にも、以下の経済指標の発表が予定されており、それぞれがドル円の方向性に影響を与えます。
- 6月15日(月):米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数・米5月鉱工業生産
米国の製造業や生産活動の強さを確認する材料。FOMC前の地ならし材料として注目。 - 6月17日(水):米5月小売売上高
個人消費の動向はFRBの政策判断に直結します。予想を上回れば景気の底堅さを示しドル高要因に、下回れば利下げ観測が高まりドル安要因になりえます。 - 6月18日(木):米新規失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景気指数
雇用市場の状況を示す週次指標。FOMC後のドル方向感を確認する追い風材料として注目です。 - 6月19日(金):日本5月全国消費者物価指数(CPI)
インフレが世界的に再加速する懸念が広がる中、日本のCPIにも注目が集まります。予想を上回れば、追加利上げ期待がさらに高まり、円買い圧力の強化につながる可能性があります。同日には日銀金融政策決定会合議事要旨(4月27〜28日分)も公表予定で、政策委員の議論の内容が市場に明らかになります。
今週のシナリオ分析:方向感はどちらか?
以上を踏まえて、今週のドル円の方向感を整理します。
▼ 円高シナリオ(ドル安)
- 日銀が予定通り1.0%への利上げを決定し、内田副総裁が「さらなる利上げに前向き」なトーンを示した場合
- FOMCでウォーシュ議長が「利下げ再開の可能性」を示唆した場合
- 米・イラン情勢が落ち着き、有事のドル買いが後退した場合
- 日本の5月CPIが予想を上回り、追加利上げ観測がさらに強まった場合
これらが重なると、ドル円は158〜159円台への下落もあり得ます。
▲ 円安シナリオ(ドル高)
- 利上げ自体は実施されるも「材料出尽くし」で円売りが広がった場合
- 内田副総裁が今後の利上げに慎重なトーンを示した場合
- FOMCでウォーシュ議長が「インフレ警戒・長期据え置き」を強調した場合
- 米・イランの和解合意が崩れ、地政学リスクが再燃した場合
これらが重なれば、160円の大台突破に向けた勢いが再び強まる可能性があります。
◆ 総合的な見立て
今週最も可能性が高いシナリオは、160円を中心とした「綱引き」の継続です。日銀利上げは円買い材料となりますが、すでに市場に相当程度織り込まれているため、大きな円高にはつながりにくい面もあります。一方、FOMCも現状維持が濃厚で、サプライズがなければドル高への動きも限定的でしょう。
鍵を握るのは、内田副総裁とウォーシュ議長が記者会見でどのようなメッセージを発信するかです。特に内田副総裁のトーンが想定以上にタカ派(利上げ積極的)であれば、円高方向への動きが加速する可能性があります。
地政学リスクという「野良馬」が暴れた場合には、短期的に160円を超えるオーバーシュートも排除できませんが、介入警戒感も上値を抑える要因として働きます。
中長期的な見通し:年末は150円〜155円を予想する声も
今週の短期的な動きを超えた中長期的な観点からは、複数の機関・アナリストが2026年末にかけての「緩やかな円高・ドル安」を予想しています。
三井住友DSアセットマネジメントは、目先はドル高・円安が続く可能性があるものの、時間の経過とともにドル安・円高方向へ緩やかに転じていくと予想しており、2026年末のドル円は150円を見込んでいます。その背景には、日銀が半年に1回程度のペースで利上げを進める一方、米国のFF金利は据え置きが継続されるという日米金融政策の方向性の違いがあります。
一方で、「160円超えの可能性も否定できない」との見方も根強く存在します。外為どっとコムのアナリスト陣は、160円を防衛ラインとする見方と、最終的には160〜170円レンジへ向かうという強気な見方が混在しています。
政府・日銀による円買い介入の警戒感が160円付近で依然として強く残っており、一方的な円安進行には歯止めがかかりやすい環境です。
まとめ:今週のドル円相場を注視すべき理由
今週は、日銀の「1%への利上げ」とFOMCの「現状維持」という組み合わせが予想される中、実際に動くのは「各中銀トップの言葉」です。
植田総裁が入院中という歴史的な異例事態のもと、内田副総裁がどのような言葉で今後の政策方針を市場に伝えるか。ウォーシュ新FRB議長が、インフレと景気のバランスをどう評価し、利下げへの道筋についてどのようなシグナルを出すか。そしてイランをめぐる地政学的な緊張が再燃するかどうか。
これら複数の変数が同時に動く「ダブル中銀ウィーク+地政学リスク」という高度に複雑な状況下で、ドル円は160円をめぐる攻防の最前線に立ちます。
為替取引を行う方はもちろん、海外旅行や輸入品のコスト管理を考えている方にとっても、今週の動向は注目に値します。リスク管理を最優先に、柔軟な対応を心がけることが重要な1週間となりそうです。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。為替相場の見通しはあくまで参考情報であり、実際の投資・取引の判断はご自身の責任で行ってください。
では、今日はここまで。
また、次回お会いしましょう!!
またね!
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