デシジョンツリー
意味
デシジョンツリー(決定木)は、データマイニングと機械学習において重要な手法で、階層的なモデルを使ってデータを分類したり、連続的な数値予測を行ったりします。デシジョンツリーは条件分岐の連続で構成されており、データをサブセットに分割していく構造を持っています。
以下は、デシジョンツリーの基本的な概念を説明する図です。
[条件A]
/ \
[条件A-1] [条件A-2]
/ \ |
[結果1] [結果2] [結果3]
- ノード(Node): ディシジョンツリーの主要な要素であり、データを分割する質問や条件が設定されます。
- 根ノード(Root Node): ツリーの最上部にあり、最初の分割条件を持っています。
- 内部ノード(Internal Node): ツリーの中間にあるノードで、さらに質問や条件でデータを分割します。
- 葉ノード(Leaf Node): ツリーの最後にあり、最終的な出力値(クラスラベルや数値予測)があります。
- 枝(Branch): ノード間のリンクで、ある条件の結果に応じてデータを分割したパスを表します。
デシジョンツリーを構築する際には、データから最も情報量が多い属性から条件を決めていき、エントロピーの減少や不純度(ジニ不純度など)の減少を目指して分割を行っていきます。一般的なアルゴリズムには、ID3、C4.5、CARTなどがあります。
デシジョンツリーの利点は、作成されたモデルが解釈しやすい点にありますが、過剰に複雑なツリーは過学習につながりやすいという欠点もあります。この問題に対処するために、枝刈り(pruning)が用いられます。これは、ツリーの成長を適切なところで停止させたり、不必要な枝を削除することで過学習を防ぐ技術です。
補足
エントロピーは物理学、特に熱力学と統計力学の概念であり、システムの乱雑さや無秩序の度合いを測定する尺度です。熱力学の第二法則によれば、孤立したシステム(外界からエネルギーの出入りがないシステム)のエントロピーは時間が経つにつれて増加する、または最大値で一定となるとされます。これは、システムが時間とともに乱雑性を増し、エネルギーが均等に分布する状態に向かうという事実を反映しています。
化学や物理化学では、反応の自発性を判断するためにエントロピーの変化を考慮します。エントロピーが増加する反応は一般的に自発的ですが、他の要因(例えばエンタルピーの変化)も重要です。
情報理論においても、エントロピーは情報の不確かさや不規則性を定量化するために使用され、シャノンのエントロピーとして知られています。これはデータや信号処理などの分野で、情報の予測可能性や冗長性を評価するために使われます。
統計力学では、エントロピーはマクロ状態におけるミクロ状態の数、すなわちシステムの特定のマクロ状態を実現する方法の数の対数として理解されることが多いです。これによって、システムがどれほど多くのマイクロスケールの状態を取り得るかが示されます。
結論として、エントロピーは多岐にわたる科学的分野で重要な概念であり、システムの無秩序や予測不可能性を表す数値的な尺度として機能します。